エネルギ原理

本章では,ひずみエネルギとコンプリメンタリひずみエネルギの概念と これに基づいて導かれる仮想仕事の原理,コンプリメンタリ仮想仕事の原理, 最小ポテンシャルエネルギの原理,最小コンプリメンタリエネルギの原理, カスチリアノの定理,相反定理などの様々なエネルギ原理 (energy principle)について述べる. 弾性体の境界値問題はこれまでに導いてきた一連の基礎方程式を解 くことにより弾性体内の応力分布やひずみ分布が得られるのであるが, 厳密解の得られることは,まれであるので,実用目的のためには 近似解で満足しなければならないことがほとんどである. 有限要素法による解はその様な近似解の一つである. 弾性体の境界値問題の厳密解が得られない場合, 仮想仕事の原理やエネルギ原理(変分原理)が近似解を得るのに重要な役割を持っている.



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Akihiro Nakatani 2001-06-25