6章の演習問題

  1. 図1のようなL型の棒の点A,Bに集中荷重\(P\), \(Q\) が作用しているとき, 着力点の荷重方向のたわみ\((u_y)_{\rm A}\), \((u_x)_{\rm B}\)を カスチリアノの定理を用いて求めなさい. ただし,材料のヤング率,横弾性係数,断面積,断面2次モーメントをそれぞれ, \(E\), \(G\), \(A\), \(I\)とする.

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    図1

  2. 図2に示すような静定トラスの点Bに,集中荷重\(P\)が垂直下方に作 用しているとする.ここで,各棒は断面積\(A\),ヤング率\(E\)の同一材料である.
    (1)
    点Bでの水平変位\(u_x\)と,垂直変位 \(u_y\)を 仮想仕事の原理を用いて求めなさい.
    (2)
    点Bでの垂直変位 \(u_y\)を カスチリアノの定理を用いて求めなさい.

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    図2

  3. 図3に示すような中央に集中荷重\(P\)の作用する 両端固定はりのたわみ\(y\)を,求めることを考える.

    (1)
    材料力学のはりの理論に基づいた 方法(どんな方法でも良い)を用いてたわみの式\(y_{\rm ex}\)と荷重点の たわみ \({(y_{\rm ex})}_{\rm max}\)を求めなさい(これを厳密解とする).
    (2)
    カスチリアノの定理を用いて 荷重点のたわみ \({(y_{\rm ex})}_{\rm max}\) を求めなさい(これは(1)の厳密解と一致するはずである)
    (3)
    両端でたわみとたわみ角が零であるという境界条件を満足し, かつ,問題の対称性を考慮すると, \(y_1=A\{1-\cos(2\pi x/l)\}\)を近似解と仮定してもよさそうである. このとき,最小ポテンシャルエネルギの原理を用いて,たわみ曲線の近似式を 決定しなさい(すなわち \(A\)の値を決定する). また,この時のポテンシャルエネルギ\(\Pi_1\)と 荷重点のたわみ \({(y_{\rm 1})}_{\rm max}\)を求めなさい.
    (4)
    \(y_2=Bx^2(3l-4x)\) を荷重点の左側のたわみを表す式として用い, 荷重点右側には,これと対称な式を用いると, 両端でたわみとたわみ角が零であるという境界条件を満足し, かつ,たわみ角の連続性が保証されるので, この式を近似解と仮定してもよさそう である(事実,この式は厳密解を与える). このとき,最小ポテンシャルエネルギの原理を用いて,たわみ曲線の近似式を 決定しなさい(すなわち \(B\)の値を決定する). また,この時のポテンシャルエネルギ\(\Pi_2\)と 荷重点のたわみ \({(y_{\rm 1})}_{\rm max}\)を求めなさい.
    (5)
    \({(y_{\rm 1})}_{\rm max}\) \({(y_{\rm 2})}_{\rm max}\) \({(y_{\rm ex})}_{\rm max}\)を比較しなさい. また,\(\Pi_1\)\(\Pi_2\)の大小関係を調べて,どちらが正解に近いかを について論じなさい.

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    図3

  4. 図4に示すような3次元物体の2点A,Bに向きが反対で大きさの等しい集中荷重\(P\) が加えられてつりあっている時,相反定理を用いて体積変化を求め なさい.

    【ヒント】一様な静水圧を受ける問題を考える.

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    図4



Akihiro Nakatani 2001-06-25