物体力と表面力を受けてつりあい状態にある物体の内部では, 応力はつりあい方程式と境界条件式を満足する.
このような実際に生じている応力を実応力といい,とする. これに対して,上の応力に関する境界条件,すなわち力学的境界条件は 満足するが,上の変位に関する境界条件,すなわち,幾何学的 境界条件は必ずしも満足しないような仮想応力 (virtual stress)を とあらわすことにする. このような応力のことを静力学的に許容な応力 (statically admissible displacement)という.
このような仮想応力が生じるためには,物体内部で,物体力が から, に, 上の表面力が から, になることが考えられる.このとき,
外部仮想仕事 に対応して,
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これは,物体内部の力学的に許容な仮想応力
が,幾何学的に許容なひずみに対してなす
内部コンプリメンタリ仮想仕事
(internal complementary virtual work)
に対応することを意味している.
すなわち,
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この導出過程を逆にたどれば コンプリメンタリ仮想仕事の原理は,ひずみ変位関係と 上の幾何学的境界条件と等価である. ここで,導出の過程で 応力ひずみ関係などの構成式を導入していないので すなわち,コンプリメンタリ仮想仕事の原理は, 応力ひずみ関係に無関係に成立しする.
Akihiro Nakatani 2001-06-25