弾性体の構成式

これまで,応力に関連する純粋に力学的な考察から力のつりあい方 程式を考えてきた.また,一方で物体の幾何学的変形を表す定量的 な尺度としてのひずみの概念を導入した.いうなれば,これまでの 議論では,材料は連続体とみなせるものでは,粘土のようなもので も,ゴムのようなものでも鋼のようなものでも何でもよかった.し かしながら,『ある力が加わった時どの程度変形するのか?』,逆 に, 『ある変形を生じさせるのに必要な力はどの程度の大きさか?』 は材料によって異なる.この材料固有の力学的特性 (mechanical property)を数 学的に表現するのが構成式 (constitutive equation)である.そして,弾性体においては,応 力とひずみの関係という形で定式化される.ここでは,弾性体の構 成式を導入し,弾性体の境界値問題を表す基礎方程式を完成する.



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Akihiro Nakatani 2001-06-25