なる回転(座標変換)マトリクスでの変換
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(234) |
を考えるえる.このとき,
弾性係数テンソル,ひずみテンソル,応力テンソルは次の変換を受ける
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(235) |
まず,
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(236) |
を考えたとき,
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(237) |
である.
について,
であり,一方,
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(240) |
であるから,任意の に対して
と
なるためには,
でなければならない.
についても
同様な評価を行なうと,
を得る.
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(241) |
続いて,
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(242) |
を考えると
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(243) |
から,
で,一方,
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(246) |
なので,を得る.
同様に,
を得る.
これは,直交異方体
(orthotropic body)と呼ばれ9個の弾性定数で表わされる.
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(247) |
さらに,異方性の主軸が互いに等価であるとすると,
なる関係が成立するので,
の3個の弾性定数で
表わされる.一般の立方晶(面心立方晶
(face center cubic crystal),
体心立方晶
(body center cubic crystal))の弾性定数は
このように3個で表わされる.
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(248) |
最後に,
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(249) |
を考えると,
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(250) |
なので,
ゆえに,
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一方,
比較すると,
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(257) |
ここで,
とおくと,
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と表わされる.
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(259) |
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この表式からわかるように, はもはやいかなる座標変換によっても
その値を変えない定数になっていることがわかる.
よって等方体の弾性定数は2個で表わされる.
この式をフックの法則
(Hooke's law)という.
ここで導入した は,ラーメの定数(Lamé's constants)と
呼ばれる. は,しばしば,と書かれ,横弾性係数(shear modulus)
と呼ばれる.そのほかに,等方体の弾性定数には物理的意味を考慮して
ポアソン比(Poisson ratio) ,
ヤング率
(縦弾性係数)
(Young modulus) ,
体積弾性係数
(bulk modulus) ,
などさまざまな量が定義されるが,
それらの量は以下のように,互いに独立な2つの量で記述される.
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ポアソン比が という
特殊な値の時には,
となり,弾性体の方程式はかなり簡単化される.
また,は,非圧縮性
(uncompressibility)を示す.
が正であるという条件から,ポアソン比は
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でなければならない.
Akihiro Nakatani
2001-06-25