図に示す中空断面棒のように ,断面が2つ以上の閉曲線
,
,
,
で囲まれている複連結領域の場合は ,
式(8.21)において閉曲線の数だけの定数 ,
が必要である.
ここで ,その内の一つは
に含めることができるから ,
例えば ,外側の境界上の定数を零(
とすることができる.
例として ,一つの穴を持つ中空断面棒について考えよう.
この場合の境界条件は
 |
(533) |
定数
は変位
が閉曲線
に沿って一価連続 ,すなわち ,
穴の周辺を一周しても変位に食い違いが生じない条件:
 |
(534) |
より決定される.式(8.9) ,式(8.18)および式(8.23)を
用いれば ,上式の左辺は ,
ただし ,
は穴の面積である.
したがって ,式(8.42)より
 |
(536) |
となり ,
は上式より求められる.また ,ねじりモーメン
は ,
式(8.14より ,
![\begin{displaymath}
T = 2G\omega\left[\int\hspace*{-1mm}\int \Psi dxdy + c_1A_1\right]
\end{displaymath}](img1285.gif) |
(537) |
以上より ,中空断面棒の場合には ,式(8.27)を満足する
を
式(8.41)と式(8.44)との条件のもとに決定すればよい.
ここで ,
は式(8.45)よりまた ,応力成分は ,
式(8.25)より求められる.
Akihiro Nakatani
2001-06-25