STM,AFMなどの走査型プローブ顕微鏡や電子顕微鏡などが有効な微
視的(ミクロスコピック)領域から,巨視的(マクロスコピック)領域
まで,工学が対象と
している空間的なスケールは広範囲に及ぶ.同時に,時間スケール
も広範囲にわたっている.どのレベルで問題をとらえるかによって
用いる方法が異なる(図1.1).破壊の起点となるき裂
先端近傍をとってみても,図1.2にみるように,どのレ
ベルから見るかによってメカニズムから力学状態さえも異なる.材
料の強度設計の立場からみても,ラフな設計基準と安全率で評価し
ていた時代から,より厳格な基準が望まれるようになってきている
し
,後で少しふれるよ
うに超微細なLSIの強度設計などスケールの微細化によって,これ
までの設計基準や考え方を見直さなければならない可能性もでてく
る.