物体力が作用しないときの弾性体の平面問題は,
境界条件のもとで,重調和方程式を解けばよいことが
分かったが,一般にこの4階の微分方程式が解析的に解くことはできない.
しかしながら,物体の形状や境界条件が単純な場合には応力関数を多項式で
表して解が求められる.いくつかの例を挙げることにする.
Figure 7.2:
直角座標系における応力関数の適用例
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[I]
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(418) |
のとき,応力分布は,
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(419) |
となる.これは,
方向に
なる応力を受ける平板に対応する.
[II]
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(420) |
のとき,応力分布は,
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(421) |
となる.これは,
方向に
なる応力を受ける平板に対応する.
[III]
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(422) |
のときは,[I], [II]の組合せに対応し,応力分布は,
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(423) |
となる.
これは,
方向に
,
方向に
なる2軸応力を受ける場合に対応する.
[IV]
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(424) |
のとき,応力分布は,
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(425) |
となる.これは,せん断応力
の純粋せん断に対応する.
[V]
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(426) |
のとき,応力分布は,
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(427) |
これは,曲げをあらわす.
[VI]
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(428) |
のとき,応力分布は,
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(429) |
であり,一様な2軸引張と純粋せん断を受ける場合となる.
Akihiro Nakatani
2001-06-25