Figure 2.2:
座標変換
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ある位置ベクトル
は,座標系
の成分
で表すと,
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(26) |
別の座標系
の成分
で表すと,
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(27) |
となる.この二式を等しいとおいて,
とのスカラー積
をとると
を得る.いま,
を,
とおくことにすると,
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(31) |
と表される.同様にして,
とのスカラー積をと
ると
つまり,記号表示すると,
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(36) |
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(37) |
これらから,
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(38) |
であることがわかる.
次に,ベクトル
から微小量変化したベクトル
と,
ベクトル
から微小量変化したベクトル
も,同じ関係によって変換されるから,
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(39) |
展開して,
を代入すると,
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(40) |
同様にして,
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(41) |
が得られる.一般に,全微分
,
は,
と表せるので,結局,
であることがわかる.
は,方向余弦(direction cosine)とよばれる.
一般のベクトル
に対しても,
と表
せるから,同じ関係が成り立つ.
[例]
座標系
と,別の座標系
が与えられた時,
方向余弦
を成分とする行列
の行列式は,1で
あることを示そう.
座標系の,
基底ベクトル,
,
,
に平行な,
,
,
を考えると,これらは互いに直交する単位ベクトルであるから,
スカラー三重積を考えると,
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(46) |
となる.一方,
したがって,
![\begin{displaymath}
{\rm det}[\mbox{\boldmath$Q$}] = 1
\end{displaymath}](img139.gif) |
(51) |
であることが示された.
[例]
座標系
を
軸のまわりに,角度
だけ回転した座標系
とを関係づける方向余弦
は,
したがって,
![\begin{displaymath}[Q_{ij}]= \left[\begin{array}{ccc}
\cos\theta & \sin\theta & ...
...
-\sin\theta & \cos\theta & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{array}\right]
\end{displaymath}](img146.gif) |
(55) |
Figure 2.3:
軸まわりの回転
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[例]
円柱(円筒)座標
について直角座標系
との関係を考えてみよう.
をその
まま,
と考えると,これは,
線形変換にはならないので,いかに工夫しても,式(??)のような形
では表せないことがわかる.そこで,点P
,すな
わち,P
に,局所直角座標系
を考える.
Figure 2.4:
円柱座標
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関係,
あるいは,その逆関係,
を用いて,
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(62) |
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(63) |
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(64) |
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(65) |
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(66) |
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(67) |
したがって,
![\begin{displaymath}[Q_{ij}]= \left[\begin{array}{ccc}
\cos\theta & \sin\theta & ...
...
-\sin\theta & \cos\theta & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{array}\right]
\end{displaymath}](img146.gif) |
(68) |
となる
.
[例]
Figure 2.5:
球座標
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球座標
についても,円柱座標と同様に,局所
直角座標系をとることによって,
および,
の関係を使って計算できる.詳細は演習として残すことにしてここ
では結果のみを示そう.
![\begin{displaymath}[Q_{ij}]= \left[\begin{array}{ccc}
\sin\theta\cos\phi & \sin\...
...\sin\theta \\
-\sin\phi & \cos\phi & 0 \\
\end{array}\right]
\end{displaymath}](img183.gif) |
(75) |
となる
.
Akihiro Nakatani
2001-06-25