さまざまな座標系

座標系は,ベクトルとテンソル解析において基準となるものさしを 与える.絶対座標系と埋め込み座標系に大きくわけられ,おおざっ ぱに言って,前者は,空間に固定された座標系で,後者は,変形体 に固定された座標系であり,物体の変形は,前者は成分の変化とし て,後者は基底ベクトルの変化(つまり,座標値は同じ)として表される.

絶対座標系は,一般曲線座標系に代表される.それは,直線座標系 とそうでないものに分けられる.また,別な見方をすれば,局所的 に基底ベクトルが直交する一般直交曲線座標系とそうでないものに 分けられる.一般直交曲線座標系の特別なものとして円柱(円筒)座 標系,球座標系がある(図2.1).

Figure 2.1: さまざまな座標系
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図に示すような分類を考えることができる.どういった座標系を使 うかは,自由であり,使う者の考えしだいであるが,以下では,特 にことわらない限り最も特別な場合であるが理解しやすい直交デカ ルト座標系について話を進める.



Akihiro Nakatani 2001-06-25