固体力学基礎では

力学の諸問題のモデル化と定式化の方法を学ぶ.まず,弾性 力学という学問体系にのっとっ て,複雑な力学の諸問題(境界値問題)を簡単化し解析的に解を求める工夫をしてき たかについて学ぶ.先に述べたように17世紀にすでにHookeの法則 は見出されており,線形理論のほとんどは,100年前にすでに確立 されている.しかしながら,その洗練された数学的解法の幾つかは, 計算機シミュレーションによってはるかに精度よい解が得られるよ うになっている今日においても,様々な示唆に富む結果を示してく れる.しかしながら,世の中の物体の形状一つとってみても多種多 様で,解析的に解を求めることのできる問題はごくわずかであり, 構造の設計条件は工学や技術の発達とともに苛酷になってきている のも事実である.このような問題に対してはコンピュータシミュレー ションにより満足のいく解が得られるようになっている.ここでは, 固体力学において最もポピュラーな解法は有限要素法 とその理論的バックグラ ンドを与えるエネルギ原理についても触れることにする.また,最近のトピックスにつ いても紹介する.


Akihiro Nakatani 2001-06-25