【蜘蛛糸の微視的構造と粘弾性特性】
芥川龍之介の小説に「蜘蛛の糸」がある。悪人が地獄に落とされるが、生前に、
ただ一度蜘蛛を助けたことがあるために、お釈迦様は蜘蛛糸をたらして助けよ
うとする話だ。この話の中で、物語の主人公であるカンダタは蜘蛛糸を登って
いった。結局は途中で悪意を持ってしまい糸は切れてしまうのだが、途中まで糸
は切れずしっかりと登れていた。当前のことながらこの話は作り話であるが、実
際蜘蛛糸にはどれほどの強度を持ち、人が登るためにはどれだけの糸を集めれ
ばよいのだろうか。今回の研究に関してはここが出発点となった。
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